色々あるARアプリを比較してみました

 いざAR技術を導入しようと思ったとき、オリジナルアプリを開発すれば、機能やコンテンツ、アイコンやアプリ画面など、設計の自由度が上がります。しかし、それに伴って相応の費用もかかります。

 そんな時は汎用のARアプリを活用されることをおすすめします。

 汎用アプリなら機能やデザインは変更できませんが、費用負担も少なく手軽に導入できるメリットがあります。

 一口に汎用ARアプリといっても、様々なアプリやサービスがあって悩んでしまいますよね。そこで今回、私のイチ押しの「COCOAR2」と、国内外でダウンロード数の多いアプリを中心に、特徴を比較してみました。

※各アプリのダウンロード数、評価は、2016年7月20日時点、GooglePlayで公開されている情報です。(括弧内は評価数)

※2017年6月30日最新情報に更新

COCOAR2(ココアルツー)

 ダウンロード数:10万~50万  評価:3.3(897)

国内製。中国、台湾もサポートしている。英語にも対応。アプリ提供元のスターティアラボや複数の代理店がサービスを提供している。コンテンツとして動画、静止画、3DCG、音声などが作成可能。撮影、WEB誘導、SNSシェア、プッシュ通知、ログ取得などの機能がある。
動画はクロマキー動画、静止画は透過画像や複数登録に対応。(最大10枚の静止画を1コンテンツとして登録可能)

新機能としてGPS連動機能とスタンプラリー機能がつきました。

 メリット:コンテンツ登録が速い。コンテンツの差し替えが可能。
      制作できるコンテンツの種類が豊富。国内トップクラスのユーザー数。      
 デメリット:複数の会社が独自のプランでサービスを提供しているため、業者選びが必要。

Layar(レイヤー)

 ダウンロード数:1000万~5000万  評価:3.3(88964)

 オランダ製で、ヨーロッパを中心に広く普及しているアプリ。国内でもサービス提供会社が複数ある。コンテンツとして動画、静止画などが作成可能。ロケーション型による機能もある。

 メリット:ユーザー数が多い。位置情報を使った情報発信ができる。
 デメリット:ヘルプ表示が英語(アプリ画面は日本語対応)。

Aurasma(オーラズマ)

 ダウンロード数:100万~500万  評価:3.7(11076)

アメリカ製で、北米とヨーロッパを中心に広く普及しているアプリ。日本国内でも利用例が多数ある。コンテンツとして動画や3Dアニメなどが作成可能。

 メリット:アプリ評価が高い。ユーザー数が多い。3Dキャラクターのコンテンツに強い。
 デメリット:日本でのサポートから撤退している。アプリ画面が英語。(ヘルプは日本語対応)
       コンテンツを見るのに、対象のチャンネルを事前に検索・登録する必要がある。 

ARAPPLI(アラプリ)

 ダウンロード数:10万~50万  評価:2.7(812)

 国内製。コンテンツとして3Dアニメ、2Dアニメ、動画、静止画などが作成可能。WEB誘導、撮影・録画、ランダム表示、スタンプラリーなどの機能がある。

 メリット:立体物認識機能あり。3DCGアニメのコンテンツに強い。
 デメリット:アプリ評価がやや低い。

aug!(オーグ)

 ダウンロード数:5万~10万  評価:3.1(175)

 国内製。コンテンツとしてアクション付3DCG、動画が作成可能。撮影、SNS共有、ログ取得などの機能がある。

 メリット:オリジナルパッケージプランがある。
 デメリット:コンテンツ登録に数日かかる。ユーザー数が少なめ。 

 

 海外製のLayar(レイヤー)、Aurasma(オーラズマ)は、ダウンロード数が多いというメリットがある反面、インターフェースやサポート面など、日本で利用するにはユーザーと利用者双方にとって使い難いというデメリットがあります。その点、国産アプリは安心して利用することができますね。
 その中でも、アプリの認知度、操作性のしやすさ、多彩な機能、コンテンツ登録の容易さ、サポート体制の面で「COOCAR2」がイチ押しとなっています。

汎用ARアプリ 選ぶポイントは?

 それぞれ特徴のある汎用ARアプリですが、プロモーション企画に活用する際、選ぶポイントと私がイチ押しする「COCOAR2」のおすすめポイントをまとめてみました。

●プロモーションに必要な機能を持っているか?

 アプリによって使えるAR機能やコンテンツの見せ方が違うので、プロモーション内容や演出プランに合わせてアプリを選ぶ必要があります。

 「COCOAR2」は動画クロマキー動画GIFアニメを使った動きのあるコンテンツや、透過画像を使ったフォトフレーム、画像を使ったスライドなど、様々なコンテンツを作ることができます。また、ARマーカーを使ったモバイルスタンプラリー機能GPSによる地域限定機能、ユーザー利用状況が分かるログ解析機能、ユーザーにメッセージを送るプッシュ通知機能など、プロモーションに活用できる機能も豊富です。

●費用・ランニングコストは?

 汎用アプリはユーザーの利用料は無料で、コンテンツ配信側に費用がかかる場合がほとんどです。(※無料のアプリでも上位の機能は有料となる場合が多いです) 初期費用や月額利用料のほか、コンテンツ差し替え、プッシュ通知、ログ取得などに別途費用がかかる場合もあるので確認が必要です。

 「COCOAR2」の利用には、アプリ提供元のスターティアラボ株式会社と直接ライセンス契約を結ぶか、ライセンスを持った会社が提供するサービスを利用するかに分かれ、サービス提供会社毎に提供内容や費用が異なります。

●コンテンツ制作にかかるコストは?

 アプリの対応しているコンテンツによって、コンテンツの制作費も大きく変わります。3Dアニメや動画の場合は制作費が高くなりがちです。また、自前で作成したコンテンツデータが使用可能なサービスなら、コストを抑える事ができる場合もあります。

 「COCOAR2」は制作にあまりコストのかからない、動画や静止画のコンテンツが中心のアプリです。

●コンテンツの登録は容易か?

 コンテンツ登録の作業工程もまちまちです。利用者自ら登録する場合は、操作方法や仕様を熟知する必要があります。データの受け渡しだけ済むものや、適正な形式へのデータ修正までしてくれるものもあります。コンテンツの公開や差し替えに時間がかかる場合もあるので確認が必要です。

 「COCOAR2」は仕様に合った動画ファイルや画像ファイルがあれば、即座にアプリに反映させることができます。

●ユーザーが使いやすいアプリか?

 アプリのダウンロード方法や使い方がユーザーに分かりやすいかも重要です。ARアプリの中にはユーザー登録が必要だったり、別途チャンネル登録が必要だったりと手間がかかるものもあります。ユーザー向けのヘルプ機能やマニュアルが充実していると安心です。

 「COCOAR2」は特別なユーザー登録や、コンテンツを見る際のチャンネル登録などを必要としません。アプリを起動して対象のマーカーをスキャンすればすぐにARコンテンツを楽しむことができ、分かりやすいインターフェイスになっています。
 大手企業での活用例も多くあるので、自社の企画だけでなく、他社企画でアプリをダウンロード済みのユーザーが容易に参加できるのもメリットです。

●信頼できるシステムか?

 アプリによって画像の認識精度やGPSの精度に差があります。また、大量のアクセスが予想されるような企画の場合はアプリが使用しているサーバーの能力もユーザーの快適性に影響します。

 「COOCAR2」は大手企業や自治体での利用実績が多くあり、システムの拡充も随時されているので安心して利用することができます。スターティアラボは積極的に海外への進出を行っているので、今後ますますシステムの拡充が期待できます。
 OSアップデートへの対応や、利便性の為の機能追加、不具合への修正など、アプリのアップデートが随時行われています。

●サポート体制はどうか?

 継続的に開発やメンテナンスがされているアプリでないと、OSの最新バージョンへの対応や不具合への対応が疎かだったりします。サポート窓口が明確でない場合や国内に窓口が無い場合、不明点への対応・アドバイスを求められない場合があります。

 「COCOAR2」の提供元・スターティアラボは国内企業で、安心してサービスを受けることができます。また、事例やノウハウの共有といったサポート体制もしっかりしています。

 使用するアプリを検討するの際、機能やコストは必ずチェックする点だと思いますが、運用上の使い勝手や信頼性も重要な要素ですね。

まとめ

 今回5つの汎用ARアプリを比較するために色々調べましたが、各アプリで出来る事や価格面、利用方法など公開情報が少なく、実際に検討している方も苦労しているのではないかと思いました。

 「COCOAR2」はアプリ提供元のスターティアラボでも豊富な情報発信を行っているので、導入イメージが湧きやすく検討しやすいアプリだと思います。

 ただ、「COCOAR2」を利用する方法として、直接スターティアラボとライセンス契約を結ぶ方法と、ライセンスを持った会社が提供するサービスを利用する方法があるため、各社の提供するサービス内容や費用を検討する必要があります。